[misc] 面白い本

最近面白い本を見つけまして、嫁様に入院のお供として持ってきて貰ってます。それがこちら。

藤村忠寿著の「笑ってる場合かヒゲ」です。ご存じの肩も多いと思いますが、藤村忠寿さんはあの「水曜どうでしょう」のディレクターとして活躍なさってる方ですね。

その思考に引き込まれる

この本は過去に藤村さんが朝日新聞(北海道版)書いたエッセイを転載した作品であり、2014年頃から現在に至るまでの作品がたくさん掲載されています。その中で書かれているのは彼の思考そのものであり、「あー、こんな風に考えながら『水曜どうでしょう』は作られてきたのねー」という感じで読んで楽しむことが出来ます。

一部分においては、「あー、自分とここは同じ考え方だなぁ」と感じるところもあったりでどんどん引き込まれていきます。一つ一つが短編なので、非常に読みやすいので是非読み物として一冊いかがでしょう?

特に共感したのは「若者に発想を求めず、経験を積ませよ」

これは1巻に書かれている話なんですが、2巻に書かれてるエピソードの一つに読書感想文の話があり、それを読んでみるとこの件、分かりやすく解釈できたなぁと。

小学校時代、読書感想文を書いたと思うのです。喜々として書いた人ってそんなにいないと思っていて、だいたいは嫌々ながら、そして苦労して感想文を書いたと思うんです。その内容って覚えてます?覚えてないだろうなぁ。
私は基本的に感想文って高尚なものはかけなくて、大抵が「あらすじをザザーッと書いて最後に『おもしろかった』とか『おもしろくなかった』かいてた」クチです。そこに感情なんかは殆どかけなかったことを記憶しています。藤村さんもそういう所は同じタイプの人だったみたいです。

要は、経験してないこと、想像してないことをそう簡単に場面を想起するなんてできるものではなく、特に子供なんかはそうした経験が殆ど無い。そして、大人になって年をとればとるほど涙もろくなるのは、感極まるために必要となる人生のベースができあがっているからと言われています。人生経験が一定以上ないと人って早々感極まれ無いわけでして。

経験の無い人に「新しい発想を」って言われて何を発想するのか、それこそ無理強いじゃなかろうかと言うのはその通りだよなぁ-と感じた次第です。ここ最近の若者って凄い人もチラチラ見受けられるんですが、それはそれで短い人生の中でより多くの経験を積み上げた結果でしかなく、それが当たり前だと思っている我々中高年って一体何だろうね?って思ってしまうのです。俺たちの20歳までの人生はそんなに濃密だったか?いや、もっとペラかったんじゃないの?と。

新しい発想というのは、現代の新しい環境で育てきたものに、職場で働く中で得られる経験をミックスした結果なんじゃないかなぁと思うのです。だとすれば、若手さんに必要なのは発想を生み出す「土台」というか、「発射台」なんじゃないかなと思うのです。

3年目で化ける

若手さんを育成するとき、自分もそうでしたし育てる際にも見かけたこととして、「3年目で化ける」というのがあったりします。恐らく、経験値が「自分の考えを発射するに足る」状態になるのがそのあたりなんでしょうね。自分のやりたいように出来る仕事領域を見つけるのか、発展させるに足るコアスキルを身につけたのか、色々な理由はあると思うんですが、それまで一人ではオロオロし続けてた人がサクッと仕事に取りかかれるようになる。人が変わったように見えます。

今の時代、悲しいかなそうした下積みに耐えられずにほっぽり出す人も居るんですが、でも大抵の人はこの化ける瞬間から目つきが変わりますし、話す内容が変わります。

是非若い人には地道な下積み期間の大切さを理解していただきたいし、我々中高年もこの期間の重要性といかに効率的に経験を積ませられるかの検討をしっかり行っていただきたいものだなぁと思うのです。(もちろんわたしもそうしてます)