Isilonの容量増強方法
過去の記事でも説明していますが、Isilonシリーズは「スケールアウト型」のNASアプライアンスです。よって、ストレージの増設を行う際は、そのクラスタへノードを追加することによって行われます。ディスク本数単位で増設するわけじゃないので、ある意味不足するたび「ドカーンドカーン」と増設する感じになるため、大規模じゃないと向かないと言う話みたいなのですが。
ただ、容量が増えるたびにコントローラも実質増えることになるので、パフォーマンスも上がっていくことで、「ディスクは積めるけど性能が落ちるからできない」とか言うことはどうやらなさそうです。
Isilon SD Edgeでもノードを増設することにより容量追加をする形にどうやらなりそうです。というわけで、ノードの追加を実施してみました。
ノードの追加手順
ノードの追加作業はManagementサーバで行います。「https://<IP address>:9443」へアクセスして、adminアカウントでログインしてください。クラスタ構成管理画面へ移動し、対象クラスタを選択した後、画面左側ペインの「+」をクリックします。
ノード追加画面が表示されました。ホスト数、ノード数を指定します。OneFS Imageはすでにアップロード済みのOVAファイルを指定、Datastore Mappingは既存クラスタポリシーが強制されます。
追加ノードを搭載するESXiサーバを選択します。なんともありがたいことに、実はクラスタ新規追加時存在していた、構成制約がなく、物理コア数をはみ出る形になってもノード増設ができる・・ということがわかりました。ので、メモリの余裕がある2Uサーバを指定して「Next」をクリック。
データストアの指定、ネットワークの指定を行います。ここについては、新規クラスタ構築時とやる内容は同じです。
Summary画面が表示されますので、「Add」をクリックすると、ボタンが「Progress」に変わり、ノード増設が開始されます。
私の環境では、ノード増設はおよそ10分程度で完了したように見えました。デプロイ早すぎてびっくり。
ノード増設後の挙動
取り敢えず追加されたノードのコンソール画面を眺めてみました。自動的にノードは起動され、クラスタ参加処理を行っていたようです。
ログインプロンプトが表示されたので、Isilon管理コンソールを確認します。
無事5号機の追加が確認されました。追加自体はかなり簡単です。
この後の挙動なのですが、実は新規ノードを追加した時点で、「Multiscan」というバックグラウンドジョブが起動しています。
新規ノードが確認されると、Isilonクラスタは、これまたバックグラウンドで「Autobalance」と言うジョブを開始します。これによって、データが新規ノードも含めて均されていきます。Block Based Estimateを見るとわかるのですが、1TBない状態なのに結構時間がかかります。
これは、本番IOに影響しないよう優先度が低く設定されていることが要因じゃないかと考えられます。これに限らず重複排除処理や、FSAnalyze処理も優先度は低に設定されているのでそれなりに時間がかかります。
というわけで、他のジョブがうわっかぶせで来る可能性があるので、ジョブスケジュールの補正をしておくことをオススメしておきます。
しばらくおいた状態のノード表がこちらになります。
5号機のデータ所有容量が6GB近くまで増大していると思います。また、他ノードのデータ所有容量が僅かに減っていることもわかると思います。このデータのやり取りはInterConnectを通じて行われています。
ちょっと気になったこと
なお、Isilonを動かしてる間に気になったのですが、全体的にノードのロードアベレージは高く、パフォーマンスが微妙に足りてない印象を受けました。が、その割にはCPUもメモリも実はそんなに負荷を食っていません。
にも関わらずパフォーマンスが低いのは、ディスクにあるのかなと言う気がしました。
というのも、ディスクの「最大待ち時間」をvSphere Clientで計測してみたところ、時々1000msecを超える待ち時間を検出しました。データのチャンクサイズは128KBのようなので、細かいIOが大量にInterConnectやディスク間を走っているのかもしれません・・・
ま、ちょっと気にはなりましたが、まずは色々試してから・・・・と。
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