待ちに待ったということで、さっそくやることにしました。
SANBOOTと職場では呼んでますが、「Boot from SAN」が正しいようですね。なかなかこれを使う案件に巡り合えず、知見もなかったので、今回自前でこの構成を試してみることにしました。
今回、オークションで1枚FC-HBAを落札しまして、これを使うことにしました。
これはQlogicのQLA-200と言ういわゆる廉価版のFC-HBAです。
通常PCI-Xの64bitバスで提供されるのが一般的なFC-HBAですが、このHBAはなんとPCIインタフェース。
PCI-Xと書かれていますが、バス幅が32bitしかありません。
そんでもって、このご時世4Gbps-FCが一般的にも関わらず、2Gbpsが上限になってます。というわけで安っぽさ満点のHBAですね。IBMだと、これまた安かろう悪かろうストレージの代表格System Storage DS400の組み合わせで売り出されていました。
そもそも、Boot from SANとは何ぞや?という解説から。
普通、PCや一般的なサーバは内蔵ディスクブートを行うはずです。これは、PCだったりサーバだったりに内蔵されているディスクコントローラに、HDD等が直結されており、そこにOSデータを仕込んでブートするというもの。これに対してBOOT from SANはサーバ本体のディスクコントローラは使用せず、SAN(Storage Area Network)上に存在するストレージコントローラに接続されているディスクにOSを仕込み、ブートするというものです。考えうるメリットとしては以下のものが考えられます。
【信頼性の高いディスクをブートディスクにできる】
代替SAN接続するような外部ディスクは高価なものが多く、そしてストレージ性能が高いものが大半です。これに対して内蔵ディスクのコントローラは廉価なものが多く、キャッシュも少ない品質の低いものが多いとされています。実際小生が構築に携わった仕事で2度サーバの内蔵コントローラが吹っ飛びました(苦笑)。なので、外部ディスクをブートディスクにできると、パフォーマンス向上につながる・・・かもしれない、耐障害性も向上するかもしれない・・・・というもの。
【サーバの入れ替えが楽】
Boot from SANの最大の特徴と言えるかもしれない、予備サーバとの切り替えが楽という点がもう一点あげられます。たとえばシステムボード破損が発生した場合、大抵同一ラインで電源供給を受け、システムボードによって制御されるディスクコントローラも道づれでご臨終召されるケースが多いわけですが、BOOT from SANだと制御はストレージ装置に置かれるため、サーバが故障しても予備サーバと決戦を入れ替えるだけで簡単に復旧することが可能だったりします(ただ、NICのMACアドレスは異なるため、そこはうまく認識してもらうことを神にただひたすら祈る必要はあるけど)。
ほかにもストレージユニットを完全に一つのユニットにまとめ、管理を容易にするという狙いもあります。運用上ストレージ管理者とサーバ管理者が分かれている場合などは特に効果が高いと言えるのかも知れません(そんな運用してるところってあるんかいな?)。
さて、今回挑む構成は以下の通りです。我が家で役割を失ったIBM xSeries 206mが実験台です。これに先ほど購入したQLA-200を搭載、FC-SAN接続を行います。
ストレージ側では、LUを40GB/160GBの2種類を切り出し、それぞれにHost LUNを割り当てます。OS側のHost LUNは必ず0にする必要があります。こうして切り出したLUをWWPN=HBAのWWPNとなるストレージグループを構成してこの中に含めます。ストレージグループ構成の仕方については、ストレージの使用に依存するため、説明は割愛します。
以下、SANBOOT構成の手順を記載します。
サーバを起動する。BIOS画面にて以下の表示が出てきたところで「Ctrl」キーと「Q」キーを同時押しする。
すると、QLogicの設定ツールであるfast!Utilが起動します。「Configuration Settings」を選択する。
「Selectable Boot Settings」を選択する。
Selectable Boot:が「Enabled」になっていることを確認します。「Disabled」となっている場合は、「Enabled」に変更する。
(Primary)と書かれた行を選択する。
すると、Fibre Channel上のデバイス一覧が表示されるので、該当されるFCターゲットを選択する。
さらにLUNの選択をする。OSディスクをブートさせるので、LUN=0の個所を選択する。
以下の通り設定値が反映される。確認したらメニューを抜ける(Escを押すなど)
Configuration Setting画面に戻ったら「Adapter Settings」を選択する。
ここで、Host Adapter BIOSの設定を「Disable」から「Enable」に変更する。こうすることでBoot from SAN対象となるディスクが起動可能な状態になる。
Escを押してConfiguration Settings画面に戻った後でさらにEscを押す。以下の画面が表示されるので、「Save changes」を選択する。設定した内容がSAVEされる。
「Exit Fast!Util」を選択する。以後リブートするかどうかを問われるので、リブートする選択肢を選択する。
次回ブート時、正しくディスクが見えていれば以下のように表示される。
こうしてBIOS上でSAN上のディスクが参照になり、OSの導入及びブートが可能な状態になります。後はWindowsなりLinuxなりのOSをインストールすればよいということになります。
ひとまずXenServer 5.5.0は無事にSANからのブートに成功しました。VMware ESXi 3.5U4はインストーラにはじかれて敢え無く敗北・・・・・、今度はWindows Storage Server2008でも挑むかと思ったところ、どうもこのxSeries206mはUSB-CDROMからの起動ができないと来たもんだ。ちょっとドライブの乗せ換え等を行ったうえでチャレンジしたいなぁと思っています。
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