重症筋無力症の重症度とは
重症筋無力症の症状も程度というのがあります。私のようにまだ会社へ通って仕事ができる程度の人もいれば、病院で全く身動き取れずに栄養点滴と人工呼吸器で闘病される方もいらっしゃいますし、瞼が下がる以外は何も症状のない人もいらっしゃいます。
今回はこうした重症度に何があるのか、どのような測り方をするのかを書いてみようかと思います。
大きく5段階、それぞれに2段階
重症筋無力症には、MOFA分類と言うのがありまして、以下のように定義されているようです。
Class | 概要 |
Class-0 | 無症状 |
Class-Ⅰ | 眼筋のみ症状あり |
Class-Ⅱa | 軽度。四肢体幹筋力低下>球麻痺症状の場合 |
Class-Ⅱb | 軽度。四肢体幹筋力低下<球麻痺症状の場合 |
Class-Ⅲa | 中等度。四肢体幹筋力低下>球麻痺症状の場合 |
Class-Ⅲb | 中等度。四肢体幹筋力低下<球麻痺症状の場合 |
Class-Ⅳa | 重度。四肢体幹筋力低下>球麻痺症状の場合 |
Class-Ⅳb | 重度。四肢体幹筋力低下<球麻痺症状の場合 |
Class-V | 気管内挿管あり。ただし術後処置は除く |
私はこの中の「Class-Ⅱa」です。私の症状だと軽度と判断され、だからといってそんなに治療に力をかけなくていいかと言うとそうではないようです。理由はやっぱり日内変動なんだろうなーと感じています。
私より重度の方ですと、ピクリとも動けない症状を経験なさった方もいますし、排泄時の介助を必要とする方もいらっしゃいますし、実に様々です。先月入院した際は、それまで二十数年に渡ってClass-Ⅰだったのが、突然全身には称してClass-Ⅲ~Ⅳ程度まで増悪し、人相が変わって病院に運び込まれた人もいるわけですので、そういう方々の苦しみが如何程かというのは正直想像がつきません。
ただ、自分自身夕方になったら目が開かないぐらいの疲労困憊に陥ったり、頭が重くてがくんと垂れ下がる症状や呼吸困難も見せていながら、それで重症度Ⅱaなんで、重症度Vとかはホントそれこそゾッとするような苦しみを味わうんだろうか・・・と考えずには居られません。
MG-ADLスケール
他にも、状態を測るために使われるものでMG-ADLスケールというのがあります。
会話 | 明瞭に会話できるかどうか |
咀嚼 | 咀嚼をすると疲労するかどうか |
嚥下 | 嚥下時にむせるかどうか |
呼吸 | 呼吸時に息切れするかどうか |
歯磨き・櫛の使用 | 左記動作で疲労するかどうか |
椅子からの立ち上がり | 椅子から立ち上がれるかどうか 立ち上がり時、手の支援が要るか |
複視 | 複視の発生頻度 |
眼瞼下垂 | 眼瞼下垂の発生頻度 |
これらをテストすることで、お医者さんは障害の重症度を判定します。それぞれ持ち点は正常0点、最も重症なケースに該当すると3点が付与されます。(詳細内容は こちら を見ていただくとよいかと)
よって24点満点中何点か?と言うところで計算されます。私は入院時11点でしたが、治療完了時の状態だと6点まで下がりました。あの頃よりは少し上昇傾向にあると思うのですが、それでも11点には達しないかな?と思うぐらいです。これの他にもQMGスコアというのがありますが、それはまたの機会で。
MG-ADLに関しては、2桁以上が「実生活を送る上でちょっと厳しい数値」であり、1桁まで下げていくことを基本として、治療を行うんだそうです。(主治医が教えてくれました)
やっぱ、定量的に計測してもらえると分かりやすいですね。