[MG][Health] 重症筋無力症という病気

重症筋無力症という難病

私がもつ病の一つに「重症筋無力症」という病気があります。詳しくは以下のサイトを見ると分かるかな。

重症筋無力症(指定難病11)-難病情報センター

ぶっちゃけ言うと、脳から筋肉に対して信号を送るための通路の一部が破壊される病気です。アセチルコリンという神経伝達物質を筋肉に伝えるときに、筋肉側に備わっているレセプターが壊されて、そこで信号が遮断されるために、意のままに筋肉が動かせなくなるという病気です。

前兆みたいなものはあった

自分自身、こんな難病になるなんて予想だにしませんでしたが、結構な昔から、以下のような症状がちらほら見られました。

  • なぜか夕方16時から19時にかけてものすごく疲れる
  • 手が震える
  • よく足を躓く
  • 右腕がなぜか重く、だるい

顕著になりだしたのは、うつ病で休職していた2018年12月のこと。(精神面の闘病日記は今後書いていきます)
妻がこの日友達との用事で出かけていたりしたので、晩御飯に少し奮発してとんかつ屋へ行ったときに、そのとんかつが咀嚼できないというぐらいに力が弱って、せっかく食べたのに全然おいしく感じられなかったこと。

そして、車の運転をする際、ハンドルを持つ右手がどうしてもきつく、腕を下ろしたら下までだらーんと下がったこと。ただこれも、精神的なものとして認識をしていました。

いよいよひどくなったのは2018年5月のこと。仕事も無事復帰でき、いろいろ情報収集活動なんかをしながら仕事復帰に向けてステップアップしている時の事。このころ、仮出社として時短勤務をしていたのですが、その時の帰りに妻の買い物に付き添っていた時のことですが、突然右わきに激痛が走りました。

いわゆるこむら返りというやつで、足とかならよくなっていたのですが、脇というのが珍しく、その激痛の時間の長いこと。5分ぐらいはうずくまって動けなくなりました。

このころからどんどん症状はひどくなり、帰宅するとしばらく目が開けられないほどに疲労しきってしまい、いったい何が何だかわからず。精神的には復帰したての頃だったので仕事がようやくできたという喜びで、とても精神的要因でこの症状が発生しているとは思えませんで、それにしても目を開けられないほどの疲労ってなんだ?と。

休職してた間、余計なことを考えないようにするために近所の公園を数キロメートルにわたって歩いたりしていたのがどうしてここまで体力的に落ちるのか、釈然としませんで、不安な日々を過ごしていたのを記憶しています。

テレビ番組を見て気づく

ちょうどそんなとき、某ビートたけしが出演する医療番組を見ていた時に、ちょうど「症例」としてこの病気のケースが取り上げられていました。番組の中では

  • 瞼が下がる
  • どうにも動けなくなる魔の時間帯が存在する
  • 朝は比較的快調

という症状が取り上げられており、特に瞼が下がる⇒目が開けられなくなるという意味で気になり、妻に相談したところ、妻もいろいろ調べてくれていて、「アイスノンを目にしばらく当てて、ぱっちり開いたら怪しいかも」とのこと。我が家にはちょうどアイスノンがありましたので、目に当てて試してみたところ、見事にぱかっと開くわけでして。

その後、妻と一緒に神経内科へ行くことにしたのが、2018年5月の出来事です。

テンシロンテスト陽性

結果的にこのテストの陽性をもって私の病気が「重症筋無力症」であることがわかりました。一時的に重症筋無力症の症状を緩和する薬物を投与し、その結果体調が改善するかどうかで鑑別するんですが、これに関して見事にあてはまってしまったんですね。

この日から難病患者としていろいろな書類を書く日々が始まり、この病気との格闘が始まりました。

不治の病

この病気がなぜ難病と言われるのかというと、「完全には治らないから」です。

作用機序なんかは先述した難病情報センターの記述を見てもらえればと思うのですが、この病気の根本原因は「免疫」にありまして、体の中で本来攻撃してはいけない組織に対して免疫が誤って攻撃してしまうことで発生します。敵が自己免疫であることから、この免疫に対して間違いを正すことができれば劇的な改善が見込めると思うのですが、それが現在の医療では非常に難しいため、根本的に治すことが難しいのです。

冗談半分で「わしは不治の病でな・・」とか笑いながら言ってた時期もあったんですが、まさか本当に不治の病にかかるとはなー・・・・と思いました。

治療の足跡

私がかかっているお医者さんはもともと大学系病院でこうした神経内科的な病気と闘ってきたお医者さんで、それゆえにかなーり慎重に確認しながら治療方針を模索してくれました。今までに対応していた治療法を箇条書きに記載します。

  • 診断当初から、プレドニゾロン(PSL:ステロイド):5mg/日投与
  • 8月から、免疫抑制剤(タクロリムス:3mg/日、一時期ネオーラル:150mg/日)
  • 2018年8月-12月にかけて、ステロイドパルス(1000mg×3日/月を5クール)を実施
  • 2019年6月にて、免疫グロブリン大量投与(35mg/日×4日間)を実施

少しばかりの改善は見られているのですが、やっぱり進行スピードのほうが速く、いろいろ今までできていたことができなくなったり、そもそも身動きとれなくなったりなど、想像しきれないぐらいの弊害が生まれてはいます。

投与されている薬物はいずれも劇薬でして、それゆえ主治医も慎重です。特にステロイドパルス直後は様々な副作用に苦しめられ、効果を実感する前にまずはこの副作用と格闘する感じになります。

  • 顔面がパンパンに膨れ上がる(ムーンフェイスと呼ばれる)
  • 食欲増進と脂肪代謝異常により内臓が脂肪で圧迫されて消化不良になる
  • 頭がぼーっとする

これら副作用の大半は、ステロイドからくるものであり、その他の薬に関しては抵抗力の低下ぐらいしかありませんで、そういう意味で主治医はステロイド内服量はかなり少なめに設定してくれています。もう少し多めの投与をすればまた少し違うのかもしれませんが、ステロイドに関してはその後の減薬が非常に難しいため、しょっぱなから最小容量の投与にとどめているのだと考えられます。

症状の進行

症状は非常にゆるーやかにではありますが、進行しています。服薬である程度遅らせられてはいるようなのですが、それでも徐々に以前よりは動けなくなったりしています。

まず、足が前に出なくなりました。歩幅が従来の半分以下ぐらいになっています。骨盤と太ももをつなぐ筋肉の脱力がひどく、そこが意のままに動かせなくなったようです。気づいたのは2018年6月下旬のことで、意に反して足が前に出なくなったため、一瞬転びそうになったりしています。

そのため、2018年7月ごろから杖をつくようになりました。杖をつくようになって多少歩けるようにはなりましたが、その負担が右肩・右腕周辺に集中し、こちらも筋力が低下している状態なので、いくら杖をついて歩いても筋肉は鍛えられてくれません。逆にそこでかばった分のひずみが腱板炎という形で激痛にかわり、結構な期間苦しむ羽目になりました。

その後、いろんなところが筋力低下に見舞われまして、

  • 首:首を起こせなくなって垂れ下がるため、ネックサポーターが一時期欠かせなくなった
  • 腕:腕を机の上に載せてPCをタイピングするのがしんどくなる
  • 体幹:立っていられなくなる。ひどくなると座ってさえいられなくなる
  • 易疲労性:尋常じゃない疲労感が襲う。下手すると覚醒していられなくなる

上記症状にかなり苦しめられています。2019年6月現在の今でも、実はかなり苦しんでいます。

ただ、筋萎縮性側索硬化症(ALS)や筋ジストロフィー症候群のような免疫・遺伝子の病気と比較すると、免疫に破壊された組織が再生可能であるという意味においては、ましな方と言えるかもしれません。先にあげた2つの病気は非可逆に組織が破壊されていくので、進行が一方通行なんですが、私の場合1-2時間程度横になって睡眠をとると、幾分か動くようにはなります。ただ、動ける時間が全力ベースだと5分も続かないので、それはそれでつらいんですけども。

脳や感覚器には影響しない

ある意味これもつらいんですが、この病気は脳は感覚器には直接的に影響せず、あくまで運動神経に影響する病気です。そのため、思考能力とかにはそのまま影響することはありません。ただ、体が動かないことによるストレスが心身症という形で影響することはあります。

もし、近くにそれっぽい人がいたら

迷わず神経内科へ通うことをお勧めします。

特に、重症筋無力症において眼瞼下垂はその病気ならではの症状で、瞼が頑張っても開けられない、その人の人相を見た時に、明らかに病的に瞼が下がっている(人相が変わるほどに左右で目の開き具合が違う)ならば、その病気の可能性が高かったりするので、どうしても事前に確認したいなら、その下がった瞼に保冷剤をつけてみて瞼が開くかどうかを確認してみるとよいのかなと思います。

この病気自体、内科や眼科などで鑑別するのは非常に難しいようで、病院ショッピングの末にようやくわかるケースが大半のようです。

下手すると死ぬ病であることも覚えておいてほしい

基本的にこの病気で死ぬ確率は低いそうです。というのも、医療の発達とともに、生きながらえる手段が結構出てきたから。人工呼吸器の存在は特に大きく、これで命を取り留める方も多いようです。

この病気の一番恐ろしいポイントは、呼吸筋がやられると呼吸ができなくなること。生命維持すら難しいほどに重症化する症状を「クリーゼ」と呼ぶんですが、これになった場合は速攻病院へ駆け込んだうえで人工呼吸器を用いて呼吸筋を少しでも安ませる必要が出てきます。

投薬治療が軌道に乗れば、かなり通常の人とそん色ない生活を送れる病でもあるのですが、死亡する確率も存在するのがこの病の怖いところなのかなーと思います。

お仕事は何とか継続できている

私の仕事はITインフラエンジニアと言われるものですが、職務は何とか継続できています。ただ、顧客サイトに行くだけでフラフラになったり、きびきび歩けなかったりするためにそうした業務からは遠ざかってますし、ラッキングや結線など、物理的な作業に関しては基本的NG扱いになっています。

以前はラッキングとか結線とか、設計・計画含めて得意としてたんですが、自分で手を動かせないのがここまで制約として現れるのかと悔しくてたまらない思いをすることもしばしばです。

時々点滴治療が必要だったりするため、業務の穴は開きますし、決して有利な状況にはならないのがなんとももどかしいところだなと感じています。とはいえ、まだやれることはそれなりにあり、それなりの仕事はできるわけなので、「取りあえず先は分からんけど今やれるならやろう」という考えで前には進めますので、そういう意味では私は仕事の組み合わせ等々含めるとラッキーな方なのかもしれません。

同じ病のコミュニティー

同じ筋無力症の患者さんたちによるコミュニティがFacebookにあったりしますので参考までに。

NPO法人 筋無力症患者会

こちらの方々には非常にお世話になっており、人により様々な症状があるこの病気の情報を共有したり、医師を含めた活動内容の共有など、活発なコミュニケーションが交わされています。追々必要になる難病申請のノウハウであったりも共有してもらえるのでお勧めです。

もう一つ重症筋無力症系のコミュニティがあり、そこにも入ってるのですが、そちらはコミュニケーションをとる手段が非常に少なく、なかなか継続的にコミュニケーションが取れないため、最近はあまり関われていません。

なんであれ、万が一この病気になったら、その時はしっかり鑑別してもらうこと、そしてこうしたコミュニティを通じて「あなたは一人ぼっちじゃない」ということを認識できるようにすること、それが大切なのではないかなと思います。

参考になれば幸いです。

One Comment to “[MG][Health] 重症筋無力症という病気”

  1. いきなりすみません。重症筋無力症、ダブルセロネガティブで検索していたところこちらへたどり着きました。いくつか読ませて頂いてとてもびっくりしたことがありコメントせずにはいられないと思いこちらに書かせていただきます。
    私も藤崎メディカルクリニックにMGで診て頂いてます。そして、つい先日初めてivigの治療を受けるために福岡中央病院に入院していました。
    通院先、DSMGで全く一緒ということでまるで私自身の記録を読んでいるのような感覚がしました。(佐藤先生や吉良先生のことなども共感できることばかりで、、、)

    私は学生時代に発症し、MG歴は今年の秋で3年です。実際にMGの方と関わる機会がなくFacebookのコミュニティに先程リクエストさせて頂きました。

    いきなりこのようなコメントをお送りし大変失礼しました。

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